2018-10-25
小さな奇跡 #7 慕ぶ
『慕ぶ』
心のなかに
縁側を持っている人だった
いつでも すっと
その陽だまりの一角を差し出してくれて
まるで 音楽でも聴いているかのように
ただ静かに耳を傾けてくれた
ときおり 風に揺れる雪柳のように
ふわりと相槌を打ちながら
生乾きの洗濯物みたいな私だったのに
帰る頃にはふっくらと乾いて
どこへでも飛んでいける気がしていたよ
今でもふと 会いたくなってしまうのは
きまって よく晴れた日の昼下がり
お日さまの光でせつなくさせるなんて
君はちょっと意地悪だな
言葉:Ayusara
巴里会に捧ぐ@満月
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