toggle
2018-10-25

小さな奇跡 #7 慕ぶ

『慕ぶ』

心のなかに
縁側を持っている人だった

いつでも すっと
その陽だまりの一角を差し出してくれて

まるで 音楽でも聴いているかのように
ただ静かに耳を傾けてくれた

ときおり 風に揺れる雪柳のように
ふわりと相槌を打ちながら

生乾きの洗濯物みたいな私だったのに
帰る頃にはふっくらと乾いて

どこへでも飛んでいける気がしていたよ

今でもふと 会いたくなってしまうのは
きまって よく晴れた日の昼下がり

お日さまの光でせつなくさせるなんて
君はちょっと意地悪だな

sunset-3270630_640

言葉:Ayusara

巴里会に捧ぐ@満月
小さな奇跡ををもっと読む

関連記事
Comment





Comment